通勤ラッシュの中で席に座っていると当たり前のように、いろんな人達が目の前に立つ。
そもそも「お席をお譲りください」と車内の自動アナウンスが流れるが、この譲るというのがなかなか曲者のような気がする。
私の幾多の状況を並べると…
足を骨折する人が車内に入ってきた。その人は「席を譲ってくれませんか?」と直に言ってきた。
棒に両手で捕まっているお婆さんがすぐ横に立っていた。私が席を譲ると、特に何も動揺することなくいつもしてくれているような状態で「スミマンセン」と言って、席についた。
何回も経験している風貌で、芯から老いてしまっている雰囲気を感じた。
私の目の前に突然気持ち悪くなった人がいた。
「気持ち悪い…」といいながら、壁にもたれかかっていた。
とっさに私は席をゆずろうとした。
そしたら…
「いいえ結構です。その必要はありません…。」
こんな言葉が返ってくるとは思わなかった。実際にその人は気持ちが悪く、私が席を譲るのを断った後で、その場で座り込んでしまったほどなのだ。
にも関わらずである。
親切心を裏切られたようで、私は憤りを感じてしまった。
「だったらずっと立ってろよ!!」私の心の中でずっと思っていた言葉である。
しかしのちに、これが誰でもありがちなことに気づいた。
例えば、お礼として品物を送るとする。この時に貰う前に、一度遠慮する人が多いのではないだろうか。
おそらく本当に断るパターンと、一度断ってそれでも受け取ってくれといわれたら貰う人とに別れると思う。
私の場合、せっかく用意していただいたのだから、素直に受け取る。そのほうが相手にとってもスッキリしていて感じがよいと思う。
逆に貰うのを断ったとしても、送った側の人は「遠慮することで好感を抱く」ようなことはないのではないだろうか。
こんな状況を日本人は作り出してしまったから、親切の手を出されたとしても、普段経験していないため、素直に受け取ることができない。
自分に素直になることがコミュニケーションを円滑にする上でも重要であると思う。